ただひとつ。Side Story

そもそも颯太が野球を始めたのは、彼の父親がきっかけだった。


野球部だった父親は…



彼が幼い頃からボールを触らせ、小学校に入学する頃には…


すでにキャッチボールをこなしていた。



2年生で少年野球チームに入れ、


自分が休みとなると…


足しげく、練習場に通ったものだった。



時折コーチとしてあたり……


自分の子にはもちろん、他人の子にも厳しく指導するその姿は…、


ちょっとした、名物親父だったのだ。



地元の強豪チームとなると、高校の指導者はお忍びで子供達のプレーを見に来ていた。



小林もそのひとり……。



颯太の成長を、密かに見守っていた。



彼の父親とも親しい間柄になっていたことは……



知られてはいない。