ただひとつ。Side Story

一度離れた心が、どうして元に戻ることができるのかが…


彼には理解できなかった。



離れてしまえばもう、手が届かなくなってしまう。



それこそが……


颯太の人生そのものだったからだ。





どんなに必死になったって、



どんなにもがこうとも…



どうにもならないことがあると、知っていたから。





それでも彼の心にただひとつだけー……



そう、ひとつだけ…、


信じたいものがあった。





駆けていくひよりのその後ろ姿に……



微かな期待を寄せていたのかもしれない。






この出会いは、




運命であり、必然的であったのだと……。