ただひとつ。Side Story

その日颯太は…



授業中も窓の外を眺めては、何やら物思いに耽っていた。





「…あ。」




その窓の向こう側に…



グランドを走る、ひよりの姿。



体育の授業前に、生徒達は必ずグランドを2周走らされる。



その光景が……



目に入ったのだ。




「…………。」



のろのろと走る女子生徒の中で一人……



何故か、彼女は男子と横に並んで走っている。


しかも、かなりのハイペースだ。


傍を走るのは大地。



気まずくなったと思われた二人が…



こうしてまた仲睦まじく寄り添えるのはなぜなのだろうと……



見つけなければよかったと……


心から思った。





『…何で…?』




ふと、小さな疑問が頭に浮かんできた。