ただひとつ。Side Story




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一方、オープンスペースでは…





「…さっきまこの真後ろに座ってた人、あの人颯太くんだったんだよ。寝てたみたいだけど…格好よかったあ…。」



「…あれ…?私さっきその人にぶつかったかも。」



まこは必死に顔を思い浮かべる。



「…ああ、かっこよかったね、確かに。」


「…ホント?まこがそういうなら間違いないね、きっと。いたと知ってたら見たのに~。」



さほど興味はないが、ひよりはとりあえずそう言ってみた。




「何の話?」



大地が彼女たちの背後から声を掛けた。



「ううん、大ちゃんはいい男だって話!」



まこは上手くごまかした。



「そうそう、その通り!」



残りの二人も首を縦に振って同意した。



「ここ、座っていい?」



大地はひよりの隣りの椅子を指差した。



「…どうぞ~。」




呑気にコーヒーを飲んで笑っているひよりを見つめながら…


まこは、一度息を吐いて…


それから、


「ごめん、先生に用あったんだった。」


そう断って席を立った。



「…あれ。まこもう戻るの?」



健と雑談していた和志が残念そうに声を上げた。



「…ん、ちょっと先生に用あるの忘れてたから……。和志たちはごゆっくり。」



『ごゆっくり』の部分がやけに強調されている。



「………。」



和志はチラッとひより達に目をやった。




「…なる程…。」



和志もまた何かに気づき…



「オマエ、ここに入れろっ。」



無理矢理健の椅子に半分座りをした。




「………。」



それを見ていたクラスメイトの千鶴も…



すぐさま空気を察する。



「…私、トイレ行きたいし先戻ってるね~!」




大地とひよりを残し、さっさと出て行ってしまった。