ただひとつ。Side Story






♪~♪♪~…♪♪~♪…



パイプオルガンの音色が厳かに響き渡る。



一面真っ白な壁に、突き抜けるような高い天井。


光の差し込むステンドグラス。


そして……


窓から見渡せる、蒼く煌めく海……。



その全てが幻想的で、私はまるで異世界に入り込んだような…


そんな、不思議な感覚のまま…


ひと息ついた。


「そこ空いてるから行こう。」


小声で楓とひよりに囁きかけると、参列者の一番後ろの方へとすべりこんだ。


「…ここなら一番最初に祝えるじゃん?」


…なるほど。
モノは考えようだ。


バージンロードのすぐ側から数えて3つまでの席を陣取った。


颯太くんと大ちゃんは、新郎側の席の丁度真ん中くらいに座っている。



「…あ。」


何やら誰かと話し込んでると思いきや…、


健くんだ。



私達の視線に気づき、彼らはブンブンと手を振った。


「………。」





健くんとはほとんど面識はないけれど…、隣のひよりに従って、思い切り手を振り返した。



「………。」


あーあ。


また笑われてるよ、絶対。


颯太くんが肩を震わせているのを見て……


私は恥ずかしくなって俯いた。