ただひとつ。Side Story

けれどその日はたまたま……




颯太が遅刻してきたことで、ひとつの偶然が生まれた。




たまたま体育館へ移動中の7組の生徒達と…、
たてつづけにすれ違ったのだ。





「お前今頃鞄もってなにしてんの~?」



階段をのぼる彼と、下ってきた和志とが、バッタリ出くわす。



「登校中~。」



「あ、そ~。先生敵に回すなよ!中学の二の舞になるぞ。」



「はいはい。じゃ~な。」


「おう。」





またしばらくのぼる途中で…



前方から聞き覚えのある声が聞こえてきた。




「………。」



案の定、颯太が予想していた通りのその人物は神尾大地で……



女生徒と楽しそうに話をしていて、彼の存在には気づかない。




やがてその女の子達は、


「お先に~。」



そう大地に断って、小走りで階段を駆け降りてきた。