ただひとつ。Side Story

「…そうだよ!去年は和志達一緒だったし、その前は実家に行った。」



「…そっか。」



「…正確には3人だけどな。…どれ、もう一回日向の寝顔見てこよっかな。」



颯太はそう言って椅子から立ち上がると…


一度、私の頭に手を置いて……



それから、寝室へと姿を消した。




颯太が去ったそのテーブルには……


空になった皿が並んでいた。



「…ケーキ二つなんて…よく食べたなあ。」



…ありがとう。



心の中で…


そっと呟いた。






食器を流し台に運び、水を流す。




「……手伝うよ。」



気づくとすぐ隣りは颯太が立っていて…



ワイシャツの袖を捲り上げていた。



「…いいよ、休んでて。コーヒー入れようか?」


「お前が休んでないのに休めない。」


「…年中休んでるよ。」


「馬鹿、子育てに休みなんてないだろ。俺は頭上がんねーよ。」


「………。」