ただひとつ。Side Story

コチ…



コチ…



コチ……





瞼の裏に……



古ぼけた…


けれど、いつまでも消えることのない映像が映る。






『…結婚しよう。』




「…嘘……。」




『ほら、手ェ出して。』



『…おい、返事は?』




「…うん。」


『…幸せにするから。』


「……うん。」


『…幸せになろう。』


「…ハイ。」




温かくて……



何にもかえがたい大きな温もりが……



身体を包んでいた。