ただひとつ。Side Story

「…今だから言うね。ホントはさ、一昨年のクリスマス…。私、和志を追いかけた。…素直になれなくてさ、でもやっぱり一緒に居たくて……。」



「……知ってるよ。」



「…え?」



「…俺はあの日お前を待ってた。…正門で…。」



「…正門…?」



「うん。…お前が追ってくれたことも、後で聞いた。」



「……なら…、どうして言わなかったの?」


「言えなかったんだよ。お前が…藤倉先輩といるのを見たから。」


「……あれは…、偶然会ってさ、泣いてる私を励まそうとしてくれて……。」



…そうか…。


そうだったんだ。


聞いてみないと…


わからないもんだ。




「…もう、いいじゃん。そんな昔のこと。」



「……『昔』…?」



「うん。」



俺なりの……



精一杯の強がりだ。