ただひとつ。Side Story





トントンっ…



トントントンっ…



「………う…?」



♪~♪~♪……


携帯…鳴ってない?


アラームなんてかけたっけ。


それにしても…


賑やかな朝だ。




♪~♪……


長いなぁ…。


ってか、この曲なんだっけ?



きいたことあった…?



…♪~♪~…


うるさいなぁ。


早く止まって。


早く…




「もう…うるさ~い…。」


私は渋々と重たい瞼を開けて、音を奏でるその主を探した。




「………。あれ?」


私じゃない…。


て、ことは…



「ひより。ねえ。携帯鳴ってるよ?」


私は隣でベッドに横たわるひよりの体を少しだけ揺らした。


「………ん。」


…なんて色気のない寝相だろう。


普段のひよりからはホント想像できない。






コラコラ、へそでてるよ。



トントンッ



「ん?」


ドアを叩く音…?




私はドア穴からそっと外を覗いた。




……颯太くんじゃん。




ガチャ…




「おはよ~…。どうしたの?」


私はドアの隙間から顔だけを覗かせた。




「………。おはようってか…、『おそよう』?」


「………?」


「…もしかして寝てた?」


「うん。」


「…だよなぁ…。まこちゃんらしくない。寝癖…。」


「げ。」


慌てて頭を押さえ付ける。


……しかも…


すっぴんじゃん!


「それよか準備しなくていーの?ひよりは?」


「…まだ寝てる。」


「だろうな、携帯出ないし。あと30分で出れる?」


「……へ?」


「…あのさ、今何時かわかってる?」


「…ん?」




颯太くんが携帯の画面を私の目の前に差し出した。