ただひとつ。Side Story

けれど……




人生七転び八起き。





クリスマスに振られたさみしい俺にも…



思いのほか、春は早くやってきた。





クリスマスから数日後…



「……あの、奥山くん!」



終業式を終え、体育館からの道のりを歩いている時だった。




背後から突然、



かわいい声が響いた。



振り返った俺の視線が一瞬……



歩いてくる加藤の視線とぶつかった。




「…………へ?」



視線をずらした俺のすぐ背後には……




何故か、朝永心菜の姿。




「…俺っ?」


「…そうです。」



俯きがちにはにかむ朝永は、(当たり前だけど)妙にかわいくみえて……、俺の心臓は、うるさい程に音をたてた。




「…何?」



なんの奇跡か、朝永が俺に声を掛けてくることがあるなんて……。