ただひとつ。Side Story

俺は待っていたんだ。



もしかしたら加藤が謝ってくるかもしれない。


やっぱり一緒に過ごしたいと弁解するかもしれない。



いつかみたいに、照れながら……。




けれどそんな淡い期待は脆くも崩れ去り……





結局話すらしないまま、その日は部活へと向かった。







辺りは真っ暗。



街灯に照らされた雪が……



俺の頭上にひっきりなしに舞い落ちていた。



何度も何度もそれを払って、ひたすら待ち続ける。




いつもみたいに…


小走りで駆けてくるんじゃないか…?




まだ、そんなちっぽけな夢を描き続ける。




「寒み~……。」



手袋すらしていないのだから、真冬の夜は流石にキツイ。



それでも……



加藤を信じていた。


自分を…信じていた。




もう、部活は終わる時間じゃないのか?



携帯を何度も開いては、正門に立ち尽くす。