ただひとつ。Side Story

「なら、何もこんな公衆の面前で話さなくてもいいじゃない!」


「別に今更……。」



「……。和志は…何もわかってない。」



「………。」



「…何で…何も言わないの?」


「…は?」


「言い返せばいいじゃん。」


「俺が何言ったって今のお前には通じねーだろ。」


「………。」


「…そういう顔してっとかわいくないぞ。」


「…どうせブスだもん。」


「…そんなこと言ってない。」


「言ったも同然っ。」


「………。面倒くさい、もう勝手にしろ。」




何で…?





俺らはどうしてこうぶつかるんだ?




自分の気持ちを素直に言葉にすることが…



なぜ相手には通じないんだろう。





俺は自分の席を立つと…



用もないのに、便所への道を急いだ。