ただひとつ。Side Story






それから…





俺はいつもの日常を取り戻していた。




怒られない程度に馬鹿やって、



うざがられない程度に加藤とイチャつき、



バレない程度に…
(加藤に)


中学男子の楽しみを謳歌していた。






先生にも周りにもよく『チョロチョロしてる』と言われるけど…


まさに、それこそが俺の日常なのだ。



…が、時々…


非·日常が訪れる。






「和志~、お前課題してきた?」


「するわけないじゃん。」


「あ、そ~。」




こんな風に…



ひょっこり現れてすぐいなくなるあいつ……。



非·日常の根源は、颯太に他ならない。





「…待て。実はもう写してある。」



「…マジで?」





そうやって…



懐いているような、いないような……



まるで猫みたいな奴。





そんな姿を見せているせいか……



クラスの奴らも掌をかえしたかのような
行動をとるようになった。




奴は邪険にするわけでもなく…


すんなりとそれを受け入れる。




どうやら俺だけが特別だという訳ではないようだ。



別にそんなのどうだっていいけど…。





けど…、




「和志!」





颯太は何故か俺だけ呼び捨てする。



…それは……


悪い気がしなかった。






そして、もうひとつの非·日常と言えば……







「…あ。」




…またか。





よく見掛ける二人の姿。



むしろもう日常と言っても過言じゃないかもしれない。