ただひとつ。Side Story

「「…たっだいまあ~!」」




俺らはわざと勢いよくドアを開いた。




…と…、




「…おかえり~!!」




潜った布団から顔を出して応えたのは…



颯太ひとりだった。




しかも、明らかに寝ていたのだろう。



目が完全には開ききってはいない。




……なんか…


昔、こんな台詞のやりとりしたっけ…。





「…お前ら~、もうヘバってんのかよ。これからだろ?これから。」




大地…


お前が言うなよ。





「…ん~。俺はまだ大丈夫~。」




颯太はムクッと起き上がると…



何故か布団の上で正座し、手招きしている。




「………はやちゃんっ!」




更に何故か……



大地がそこに、ダイブした。




「………馬鹿?」






ふたりはプロレス技を掛け合っては、



「…ギブギブ!」


「…いってえ~っ!」



アホみたいに声を上げる。




「…かんぱ~い……。」



そのやりとりを横目に、俺はひとり手酌して…



再び、飲み始めた。




それにしても…


いい歳して、騒ぎすぎ。



子供かっての。



「…お前昨日署に泊まりだったんだろ?大丈夫かあ~?」



「余裕だね。息抜きくらいさせろよ~!」



「あ、そ。」






でも……




こういうのは、嫌いじゃない。




「オラ、健っ!テメーも起きろっ。」



俺は早速健のケツを思いきり叩いた。




「………い…って~な!和志っ。」



要するにまあ、俺も結局はあいつらと同じ。





まだまだ子供のままだった。