ただひとつ。Side Story

「……和志。」



「…ん?」




青山が…



初めて俺の名前を呼んだ。




「…俺の親父は…、警察だったよ。」




「………?」



警察…『だった』?




「…もー死んじゃったけどな。」



「……そうか…。」




死んだって……。




「…人を庇って死ぬのは…勇気がいることなのかな。それとも…、やっぱ馬鹿だったのかな。」



青山は…



立ち止まり、それから…空を見上げた。




「馬鹿な訳あるか。それに…、生きてるだけで…勇気はいるんだ。お前の父ちゃんは、人よりも強かった。…人よりも優しかったんじゃねーのか?」



「…………。」



「颯太っ。」



「……ナニ?」



「…無事で……、良かったよ。」



「……そっか。」