ただひとつ。Side Story

それは座り心地がいいってことなのか、自分の心情であるのかは、定かではない。




しばらくそれに身を委ねていると…


颯太くんが小走りでこっちにやって来た。


「また寝そうだし!」


「ん。誰かさんが戻ってくるのが遅いからだよ。」


「ごめんごめん、どっちにしようか迷ってさ。はい、これ。」


彼が手渡してきたのは、チョコでコーティングされた苺アイス。


「チョコじゃない方がいいのかってまよったけど…、直感!」


「…ありがとう!このアイス大好き。」


「俺も好き。」


早速一口、口に入れてみた。


「…やばいな。」


「…ん?」


「あったかい温泉に浸かって…、マッサージで癒されて…、大好きな苺アイスで締めくくれるなんて、ヤバいでしょ。贅沢だなあ。」


「……。ん、そりゃヤバいわ。」


「…ってか…、ひよりまだ来ないね。」


「そりゃあいつは長風呂だからな。」


「…………。」




おいおい、


聞いてるこっちが照れるようなことを…。




「…で、そろそろ話してくれてもいいんじゃねーの。」


「ん?」


「ごまかそうったってそーはいかないっスよ、まこちゃん。」


「………。」


やっぱりこの人苦手だ…


人の核心部分をズバッと読み解く。


「…まあ、颯太くんが気にする程のことじゃないからさ。」


「ほ~…?」


「…何?何か文句ありそうだね。」


「さっすがひよりの親友!わかりづらいなぁ…。」


「あれ?ひよりほどわかりやすい子はいないと思うけど。」


「…そうかあ~?」


颯太くんは、寂しそうに笑った。


「分かるようで…わかんねーんだよな、実際。あいつ我慢強いってか甘え下手なとこあるからさ、本心が掴みづれーんだよ。」


「………。」




そういえば…


ひより、何だか様子がおかしかった。


「まこちゃんには言えることも、俺には絶対言わない。」