ただひとつ。Side Story

俺等は……



ある男に視線を移した。





「………。何?」



一方の颯太は俺等の思惑には気づかない。


怪訝そうな顔つきで一瞬こっちを見たけれど…、



けれどやっぱひさほど気にする素振りもなく、健と酒を酌み交わしては声を上げて笑っていた。




…呑気な奴だ。


俺はあんなにお前という存在に翻弄されたというのに……。



いや、呑気にしていた?


それはちょっと表現を間違ったか?



そうじゃない。



こいつが背負っていたものは…


奴の身体よりもひとまわりもふたまわりも大きいものだった。


時が解決することを…



ただひたすら願っていただけなのかもしれないな……。