ただひとつ。Side Story

ハンカチなんてある訳がなく…


俺はオロオロしながらも、制服の裾で必死にそれを拭った。



不意に…




加藤が上目遣いで俺を見た。



『…………。』




俺の理性は…


脆くも崩れ去る。




気づけば俺らは…



キスしてた。



それは、


どちらともなく、ごく自然に……。





俺にとって、初めてのキスだった。



ファーストキスの相手が、まさか加藤になろうだなんて…


だれが予測していただろう。


それはまさに、事故のような出来事で…



罪悪感に苛まれた。





…なんて、馬鹿だったんだろう。