ただひとつ。Side Story

電話を切ると同時に…




あの時の情景が蘇る。



春の匂いが立ち込める、


あの、帰り道……。






『私は……和志が好きだから。』




街灯の下で…


俯きながら、加藤はそう言った。




『ん…?ナニ、加藤。もう一回言って。』




『…え。聞こえなかった?』



『いや、聞こえたけど…、もう一回。…再確認。』


『…アホ。』


『…はあ?』


『…言える訳ないじゃん。』


『……あっそ。…てか、お前さあ…、昨日の今日で「すき」って言われても真実味に欠けるっての。俺なら簡単に堕とせそうだからって理由?失恋の傷癒すにはちょっと相手間違ってねーか?』



『………。』



『…そもそも、お前俺を男として見たこと全くなかっただろ?』