ただひとつ。Side Story





「…あっち~……。」




夏休み……




俺は朝から扇風機の前で、ぼうっと涼んでいた。



部活は午後から。


もうすでに……



一日分の体力を消費した気分だ。




「…かずしーッ!」




一階から、親父の声。



「………。」



どうせまた小言を言われるに違いない。


…面倒くさい、寝たふりしよう。




「和志っ、寝てんのかーっ?!」




「…………。」




「お前に電話だ!」




「………。」



…電話?


部活の連絡か。




タンっ


タンッ……



次第に近づく足音…。



ドンドンドンッ!!



デカイ音をたてて、親父がドアを叩いた。




「…何だよ、うるせーな。」