ただひとつ。Side Story

「…過去の割には、リアルな感じだったなあ…。」



とうとう…、


大地が大爆笑した。



「…はあ?」




「お前、どんな夢見てたか覚えてねーの?」


「………?」



夢……?


そんなの、起きた瞬間には忘れてる。




「「甘酸っぱかった。」」



大地と健の声がシンクロした。




「寝言で加藤の名前言ってたぞ。よかったな、今日トーコがいなくて。」




大地の言葉に…


俺は安堵の息をついた。


「………。マジ?やべ、全っ然覚えてない。」




そもそも、透子とは喧嘩したばかりだ。



こんなの聞かれてたら…。




思わず…


身震いした。




大体、なんで今頃加藤なんて…。




甘酸っぱさの中にも、ほろ苦さが占拠してくる。