6月の初め。
梅雨の時期ともあって、外は雨だった。
だが、どしゃ降りだった雨は夕方に止み、星が見えるほど天気が回復した。
今日は乱華の集会の日。
俺は新しく頼んでおいた黒の特攻服に身を包み、単車に乗った。
一緒に走っている菅原亮輔とは2年前に知り合った。
広樹とダチだった亮は俺を尊敬していると言って、すぐに懐いてきた。
こいつも広樹と似てて友達思いの良い奴なんだよな・・・
そんな亮に最近女ができて。先月亮の誕生日ん時に紹介された。
2個下で、栞っていう、まだ幼さが残る女だったが、栞といる亮はホントに幸せそうな顔をしていた。
俺も百合と付き合っていた頃、あんな顔をしていたんだろうか。
何かにつけて百合を思い出してしまう。
俺は2度とあんな風に人を好きにはなれない。
心にはいつもアイツがいるから。
アイツ以上に人を好きになることは2度とないだろう。