それから数日間こいつと暮らした。

その間は男女の関係も全くなく、ごく普通に寝て起きて飯食って・・・という生活。

まるでただの同居人。


だけどなぜかこいつを追い出せなかった。

学校に行かせれば親から何かしら連絡がいってて、家に帰んだろうと思ったが、全くそういった様子もねぇし、奈緒も帰りたいとも言わない。


そしてTV番組で親子の絆みたいな感動のシーンになると決まって涙ぐんでいる。

俺はそれを見て見ぬふりしていた。



親とそんなにひでー喧嘩でもしたのか?

俺なんてそんな喧嘩する親すらいねーよ。

親の記憶といったら・・・あの親父に殴られた時の痛みと母親の泣き顔・・・だけだな・・・



そんな事を考えていたら、うとうととソファで眠ってしまっていた。

温かい。

フと目が覚めると毛布が掛けられていた。



「あっ陸さん冷房ついてるんだからそのままで寝たら風邪ひきますよー」



奈緒が笑っている。