「そういえば、優太にも『怖くて運転させられねぇ』って言われたことある」



ガーーーン!



舜はあたしの運転を知らないけれど、優太は知っていて、そう言われたんだ。


あたしって、運転は下手くそだったんだ。



「あはは、やっぱ優太さんも怖かったんだ」


「“やっぱ”って何?」



頬を膨らませる。



「絢華は機械音痴だからな」


「機械と運転って一緒なの?ちょっと違わない?」


「んー、似たようなもんだろ。……つか絢華、少し寝とけって」


「え」


「寝不足はよくねぇし、これからのために体力温存しておいた方がいい」



これからのため……


川越さんと会うために……



「うん、そうだね。少し寝とく」



そう言って、目を閉じた。