夏に先生と一緒に来たときとは違う、人気のない海。


…もう秋だもんね。
夏と秋でこれほどもの差があるんだ。


…どうして冬也くんは私を海へ誘ったのだろう?


「…川内さ、最近広田のとこ行ってないよな。…なにかあった?」


…知ってたんだ。


「……そんなことないよ?」


…今は、何も言えない。
誤魔化すしかない…


「…嘘だよな?
最近の川内さ元気ないし、広田のことが関係してるんだろうなって思ってるんだけど…違う?」


…どうしてそこまでわかるの?
冬也くんはすごい。


「…ごめんなさい。」