その週の土曜日。


冬也くんは私の家の前まで来てくれた。
そして冬也くんを見て驚いた。


「…バ、バイク!?」


「おはよう、川内。」


「お、おはよう…」


じゃなくて!!


「冬也くんバイク乗ってるの?」


「ああ。
あ、でもちゃんと16になってから免許取ってるから。」


そうなんだ…
なんか、すごいな。


「はい、これ川内のヘルメット。」


ホイっと投げられたヘルメットを受け取ると私は完全パニックに陥った。


その様子を見て、冬也くんは私にヘルメットをつけてくれた。


「あ、ありがとう。」


「さぁ、後ろに乗って。
怖いかも知れないけど、川内の好きなジェットコースターよりは怖くないと思うから!俺にしっかり捕まってて!」


冬也くんの言うとおりに、私はぎゅっと冬也くんの腰に手を回した。



「行くぞーっ!」


私たちを乗せたバイクはかなりの高スピードで動き出した。


最初は怖かったけど、冬也くんの言うとおり、途中から全然平気になって、風が気持ちよく感じた。