嘘でしょ…。 あの男が…、柿谷修平が少年院から出たの? 『君は俺のものだよ』 あの男に言われた言葉が…、あの時の光景が頭から離れない…。 「舞咲。舞咲、しっかりして!」 岬に身体を揺すられて、私は正気に戻った。 「岬…」 「舞咲、あまり独りにならない方が良いよ。土方君にちゃんと家まで送ってもらいな?」 私はその言葉に頷くことしか出来なかった。