「今日はありがとうございました、近藤さん。何か、騒がしくしてしまってすみません」 私は玄関の所まで見送りに来てくれた近藤さんに頭を下げた。 「いいや、構わんよ。桜井君、いつでもトシと一緒に遊びにおいで」 顔を上げると、近藤さんは幕末でもよく見せた優しい笑顔を浮かべていた。 私もつられて、笑顔になる。 「はい、是非!」 「じゃあ、トシ。桜井君をしっかり送ってあげるんだぞ」 「ああ、分かってる。またな、近藤さん」 トシが歩き出すと同時に私も歩き出した。