うちの家ではお母さんが一番強い。 剣道も空手も柔道も地位も色んな意味でも…。 今は夫婦喧嘩を始めていて、お父さんはお母さんに技をかけられている。 「トシ、今のうちに行こう」 私は玄関に置いておいたバッグを取ると、トシの手を引き、歩き出した。 「良いのか?親父さん、泡吹いてるぞ」 「良いよ、いつものことだし。それにそう簡単にくたばる人じゃない」 私がそう言うと同時に背後から再び鈍い音とお父さんの悲鳴が聞こえた。