いつもは、この時間なら
沢山居る人も、珍しく
誰も居なかった。

別クラスの人達が
講習を受けている姿が部屋越しに見える。

男子寮に向かったけど
友夜の姿が無く、
あれほど遅れないように伝えたのに…だんだん腕時計を見て不安になる。

それから30分後…
友夜が現れた…
シラケタ目をやり、
多少睨んで見た。

「あれほど遅れないように伝えておきながら、友夜から遅れて来るなんて…時間無視?」

また怒りが湧いてきた。

「ごめん本当にごめん!」

よく見ると
友夜の顔が青ざめていて
まるで体調が悪い感じもした。

私は遅刻して来た友夜の気持ちも聞かずに、スタスタ歩いて行った。

「おっおい!待てよっ!」

未来館の中に入り、
二階にある多目的ホ-ルを見つけ
中に入ると、
数人居るのを確認した。

靴を棚に仕舞う。

この時期は、肌寒く
中は暖房がかかって居た。
奥の方には、個室があり
使用中の部屋がいくつかある。

空き部屋は後、3つだけ。 友夜は、ガラス越しに手を乗せ 何か考えているように見えた。
「友夜…話って何?用事があって呼んだんだよね?」

友夜は、背中を向けたまま
何も言わなかった。

「今日の友夜…何か変だよ…」

「変て何だよ…俺のいったい何を知ってるんだよ…」

「何をって、知ってるよ
中学で一年の時の
友夜は、もっと明るくて
元気に飛び回っていて、クラスの人気者で…」

「何もわかって無いじゃねぇかあれから、何年経ったと思っているんだよ…」

私は、友夜の事を知っているのは一年だけ…あれから
6年も経って居る事に気づく

「奥の部屋開いてるし
どうせなら、そこの部屋で話さないか?菜月が嫌じゃなかったら」

私は、周りに居た人は
私達の会話を聞いている様子は無かったけど
部屋の中の方が、いいような気がして中に入ることにした。

一番隅の窓際が暖かかったのでそこに入る。
使用中の札にし、
私から中に入る。