「おいたちかわ、いいのかぁ彼女ほっといて、
今頃探してるぜ」

見知らぬ男性の声が聞こえてきた。

「あぁ?いいんだよっ
俺から誘ったわけでもねぇし
それより、由里遊ぼうぜ…」

「ああっもぅ
みつひこ…触らないでよ…」

中から女性の声がした。

どうやら、さっき電話していたのは、
おそらくあの女性だと何となく感じた。

私の中で、
悲しみと怒りが
沸き上がり、その場から
逃げるように、
学園の方に駆けだした。

こんな事って…こんな酷い事…私の涙はどんどん溢れ、
いつの間にか、
学園の門の前まで戻って来た。

その夜は、
食べる気力も無く、
ひたすら部屋で寝込んだ。
こんな思いをする何て…。
私は遊ぶためにこの学園に入った訳じゃないのに…。

涙がまだ溢れ、
つらいのに…なのにどうしてあんな事が出来るの?
私の中に次々に、不安な気持ちが溢れて、何も考えられなかった。