七海side

ハル君と付き合い始めて二週間。


付き合ってからよーく分かったこと。


「ハル!
お前、昨日後輩に告られてただろ!」

「イツ、声がデカい」

「お前、二年になってから何回告られてんだよー!」


イッ君のバカデカい声が聞こえて振り返ると、いつもの三人が話していた。

イッ君は興奮してて、ハル君と風見君はウザったそうにイッ君のことを見ていた。


あたしはそんな三人を友達の輪の中から見ていた。


「しかもあの子可愛かったし!
侑ちゃんもそう思うだろ?」

「……お前さぁ、松山一筋なんじゃねぇの?」

「そりゃあ香織ちゃんが一番に決まってんじゃん!」


後輩……か。

同級生だけじゃなくて後輩にもモテるのか……。

もしかして先輩にも……。


「七海ー、また浦山君のこと見てる」

「ねぇ……萌りん」

「何?」


この子は萌りん。

篠山萌花―シノヤマ モエカ―

このクラスになって仲良くなった子。


「やっぱりモテるらしいよー」

「らしいよーって、アンタの彼氏でしょ」

「そうなんだけど……」


敵が多いです……。