陽斗side

「はぁ!?
ナナちゃんに会った!?」


いつもの居酒屋でイツと侑哉と飲んでいた時のことだった。


「ちょっ……それで!?
それでどうしたの!?」

「それでって……別に。
海里の連絡先だけ渡した」

「はぁ!?!?
他には話さなかったの!?!?」


俺が頷くと、イツはバンバン!とテーブルを叩いた。


「ちょっとちょっと!
そこは普通感動の再会のシーンだろ!
なぁ、侑ちゃん?」

「俺も伊沢に会ったけど」

「えぇ!?!?
何なの、みんなして!
会ってないの俺だけ!?
ってか、どこで会ったの!?」


酔っても酔ってなくても同じテンションのイツ。

声のボリュームが大きい……。


「伊沢の仕事場」

「え……ナナちゃんの!?」


仕事場……?


「どこどこ!?」

「言わない。
つーか、本当は会ったことも言わない約束だったんだけど。
陽斗と再会したならいいかなって思っただけだし」


ブー、と不貞腐れるイツ。

こんなところは昔から変わらない。