黙ってしまった俺とイツを見て、侑哉が小さくため息をついた。


「それで?
陽斗は心が傾くような女に出会ったわけ?」

「……いや」


……いくら可愛くて優しい、いい子だとしても……恋愛感情は持てない。

好きになれない。

七海以上に好きになれる人なんて……いなかった。


「……それが全てなんじゃねぇの?」

「………え?」

「今、お前には伊沢より好きな人なんていない。
だったらいいじゃん。待ち続ければ」


侑哉……。


「俺は陽斗に幸せになってほしい。
だから、別に好きでもない人と無理に付き合う必要はないと思う」


……一度、七海のお父さんに言ったことがある。

好きでもない人と無理に再婚しても七海は喜ばなかったと思う……って。


……それと同じってか。