「香織はみんなから愛されてるんだよー。
あの性格だしね」
あぁ……何となく分かる気がする。
絡みやすそうな性格してるよな、
「イッ君も香織のこと好きだよね」
「あー……イッ君ね。
…………って、イッ君って誰だよ」
俺にはそんな知り合い……
「イッ君はイッ君だよ。
大崎イッ君」
……いた。
アイツか……。
……そうだよな。松山が好きなイッ君って言ったら、当てはまるのアイツぐらいだもんな。
「いつからそんなに仲良くなったの」
「んー……いつからだろ。
イッ君、よく話しかけてくれるんだよね」
アイツは誰にでもすぐ話しかけるからな。
そんですぐに打ち解けられる。
……ある意味すごい。
「でも、アイツのことイッ君って呼んでる人初めてかも」
大抵みんなイツって呼んでるから。
何か新鮮。
「あたし、人のあだ名考えるセンスあるんだよ」
「自分で言っちゃうんだ……」
「本当だって。
結構褒められるんだよ」
「じゃあ俺は?」
「え?」
「俺だったら何になる?」

