「伊沢って面白いな」

「え!?何で!?」

「いろいろと。
あれだろ、ちょっと天然入ってるだろ」

「入ってません!」

「まー、本当の天然は自分が天然だって自覚してないからな」

「だから違うんだって!」


あたし超真面目だもん!

すっごい生真面目だもん!

天然の「て」の字もないから!


「はいはい」

「うー……信じてないでしょ?」

「信じてるって」

「その顔絶対信じてない!」


ニヤニヤしてるじゃん!


「浦山君って意外とイジワル……」

「何かちょっと似てるんだよな。
知り合いの女の子と」

「女の子……?」


それってもしかして……彼女!?

ウソ……。


「そ。女の子。
小学生だけど」

「え……」


小学生……?

彼女じゃなくて……小学生。

ホッ……じゃなくて。


「小学生に似てるって……」

「だからちょっとからかいたくなるんだよな」


……ない。

小学生は……ない。


「おーい、お前ら静かにしろー。
ホームルーム始めるぞー」


先生が入ってきてホームルームが始まった。


でも、あたしの頭の中は……


浦山君の知り合いの小学生ってどんな子なんだろう……?


そんなことばかり考えていた。