「バレンタインって女の子が男の子に告白する日じゃなかった?」

「七海、今はそうでもないのよ。
逆チョコっていうのもある時代なんだから」

「ちょっとちょっと!
二人とも!聞いてる!?」

「聞いてるよ」

「聞きたくないけど」


篠山……心の声がダダ漏れしてるぞ。


「で?相手は誰なのよ」

「中崎君」

「……誰それ」

「中崎君って……去年、あたしとか白石君とかとよく一緒にいた……あの中崎君?」

「その中崎君!」


白石っていうのは七海に告白してたヤツだよな……。

中崎は………


「中崎って誰やねん……」


ヤバい……イツが動揺しすぎて関西弁になってる……。


「それで?
その告白どうしたの?」

「ん?えっとねー……」


その時、俺の隣にいたイツが急に立ち上がった。


「イツ……?」

「うぉぉぉぉー!!!」

「おい、イツ!?」


イツは変な雄叫びをあげながら教室を出ていってしまった……。


「……侑哉」

「さすがにマズイな……」

「今は……追いかけない方がいいよな?」

「……あぁ」


イツ……大丈夫かな。