「もう暗いね」

「まだ6時なのにな」


暗くなった寒い冬の帰り道。

二人手を繋いで歩く。


吐く息が白い。


「今日、大丈夫だった?
俺、結局放置しちゃったけど……」

「うん。
三人もいれば何とかなるもんだよ」

「ありがとな。
せっかくのクリスマスなのに……」

「でも、そのクリスマスにハル君のプレーが見れてよかったよ」

「え?」

「すごく……カッコよかった」


あー……もう。

七海といると心臓がいくつあっても足りない。


「ハル君、忙しそうだったね」

「そう?
いつもあんなもんだけど……まぁ、いつもよりはちょっと忙しかったかな」

「お疲れさまです」


笑顔でペコリと頭を下げながら言う七海。


「七海もお疲れさま」

「あたしね、分かったの」

「何が?」

「やっぱりバスケが好き」


そう言う七海の目を見て俺は小さく笑った。


「……やっぱり姉弟だな」

「え?」

「海里と同じ目してる」


キラキラした目。

俺が忘れちゃいけない、初心。