「寒いだろ??だから、暖かくなるように!!」
確かに、律のポケットの中…
そして、手はとても温かかった。
律の体温がじりじりとあたしに伝わってくる。
冷たかったあたしの手がどんどん熱を増していく。
そのたびに、あたしは落ち着かなかった。
今まで、ずっと心の中はいじめ、自殺…
それらに支配されていた。
だけど、今は、律でいっぱいだった。
嫌なことなんか、忘れていた。
そんなことは、今までなかった。
初めてだった。
あたしの心の中で、律は確実に大きな存在となっていた。
そんなことをあたしは気づいていなかった。
いや、気づきたくなかった。