「私は……」




私の判断で関係ない人達を傷つけたくない。




「分かった、約束する。」




私の言葉に鬼慈志はふわっと笑った。




「じゃあ、紗良の記憶から今までの記憶を消してあげる。

勿論、千覇の事も。」




消えてしまう。
私の中から全てが消えてしまう。




「じゃあ、僕の手に紗良の右手を重ねて。」




その言葉に戸惑いながらも私は手を重ねた。