『千覇の君。』




『貴方は…紅弥…様…?』




軽く頷き彼女は話しを続けた。




『千覇の君…いや、利來の君であったな。』




『はい。』




『紗良を、紗良をどうか頼んだぞ。

妾のような苦しみを紗良に与えたくない。

どうか頼んだぞ、利來の君。』




「まっ!…
あれ、ここ…」




あたりを見渡すとそこは保健室。




さっきのは夢だったのか?