「朔が、朔が望んだんです。
幸嶺紗良をつれてこいって。
昨日から誰とも会話をしなかった朔がそれだけ言ったんです。」
私のことを知っている?
いや、私は黒田朔という人には会ったことはない。
しかもその名前すら今日初めてしった。
じゃあ、なぜ彼女は私の事を知っているの?
「事情は分かりました。
部屋に案内して下さい。
紗良、行くぞ。」
「あ、はい。」
考えるよりも今は苦しんでいる朔ちゃんを助けないと!
朔ちゃんがいるらしい、二階に上がるとそこは確かに邪気でいっぱいだった。
「朔、幸嶺紗良さんをお連れしたわよ。」
「...」
あれ?返事がない。

