悠斗にバレンタインのチョコを持ってきた子も、俺に会って媚びを売るようになった。


だから悠斗も、女には飽き飽きして


俺もなるべく、悠斗の女なら見定めたい───




が。




「……えっとー…確かに、モテますよね?兄弟で。でも仲が良さそうで微笑ましいです。」

「…………」

「兄貴、菜月は違うんだよ。」




誇らしげに言う悠斗の言葉を聞き、まあ確かに、と思う。


猫なで声もなく、そのSっ気も隠さない、気難しい悠斗を落とした女の子。


媚びなんか、売っていない。


確かに、〝彼氏の兄〟という意識を持っているのが分かる。悠斗も、離さないくらいベタ惚れみたいだし。