「ってか杏里ちゃん、メアド教えてよ」



髪の赤い男がそう言って私に笑いかけた。

彼は確か……


「コウタ…君?」


私が疑問形で口にすると、コウタ君は大きな口を開けてゲラゲラと笑った。



「やっぱ俺、名前覚えられてねぇんだ」


何が面白いのか周りの人たちもその言葉を聞いてゲラゲラと笑い始めた。



「じゃあ、俺は?」


茶髪の髪をつんつんに立てたちょっと幼い顔の男の子が私に向かってそう言った。


そう、この童顔の子は……


「ユキ…君?」


「おぉ~、あったり~!!」


私の回答にユキ君は嬉しそうにぴょんぴょんと跳ねていて可愛かった。