あたしが見た世界Ⅲ【完】






「『なんでもない』じゃないでしょ、顔赤かったよ?」




心配しているようだった。




その間も、心臓はバクバクしている。




ふと、頬を触ってみたら熱かった。




――何なんだ?




新しい病気なのか?




「あ。」




隼人が思い出したように声を発して、あたしの腕をつかんでグルンと向き合わせる。




「熱出してる?」




心配そうな顔をして、彼はあたしのおでこと自分のおでこをくっつけた。