そしてあたし達はCHAIN本部に着いた。
それはそうと、未だにあたしの手を握ったままで。
赤いフードの女はコウののいる部屋へと、迷わずに行く。
その、今までの間。
女とは一言も話してない。
何故止めに入ったのかが気になったが、今はもうどうでも良くなった。
あの二人が止めに入ってなければ、あたしは確実に死んでいた。
もちろん、あたしは命を捨てる覚悟で来ていた。
夜一にも勝てないあたしと夜一の上に立つ奴とでは、どちらが勝つのかなんて分かりきっている。
奴にとってあたしを葬ることくらい、赤子の手を捻るようなものだ。
何故あたしをその自らの手で殺そうとした?
奴ほどの男なら、あたしより強い部下なんぞいくらでもいるであろうに。
夜一をその場所に寄越すこともできたであろうに、奴はそれをしなかった。
何故わざわざ煩わすようなことを?


