「さてと!」




手をパンと叩いて父さんが立ち上がった。




「今日からまた忙しくなんぞー」




「え、何で?」




リュウ兄がキョトンとした顔をして、父さんを見た。




「え、何でって修行に決まってんだろ」




「えェ――…また修行すんのかよー」




げんなりした表情をしてリュウ兄が項垂れた。




「またってお前は修行なんかしてねぇだろ」




「え、あ、イヤ、したってば」




リュウ兄が目を泳がす。




「ほう。いつ?」




父さんが問い詰める。




「えぇっと、いつだったかなー…?」




「いつなんかなー?」




父さんは笑顔で言っているものの、その顔が怖い。




「あ、思い出した!」




リュウ兄が「閃いた!」みたいな表情を浮かべた。