「アイ」 ふと、低い声で名前を呼ばれ、あたしの思考は雲散となってしまった。 「……はい…」 「情を移すなよ。万が一の時に殺せなくなるぞ」 それはまるで、いや、確実に、あたしが夜一を殺すということを前提に言った。 しかし、彼の目には、まだ迷いが渦巻いているような気がした。 「…はい……」 あたしは返事をすると、母さんの方をチラリと見た。 母さんは瞼を閉じていて、コクンこくん、と頷いていた。 ……………………。 ……………。 ……。 寝てんのかよ。