総長はバッと、右手を上げた。 ――なんだろう 少しワクワクしたけど、何も起こらない。 コツコツと、足音が響く。 「外にいる仲間なら来ませんよ」 聞きなれた声がした。 「やれやれ、まったく手が焼けるなぁ」 足音はだんだん増えていって。 「なんや、もう終わったんか」 顔は逆光でよく見えないけど。 「これで8回目だって、誘拐されんの」 確かに俺の仲間だった。 「ついでにケーサツ呼んでおいた」